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あの日

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腹水を抜くかどうかは、先生とずっと悩んできた。
おかんとおとーは抜いてもらった方がいいんじゃないか?って話もしてたけど、抜くとその時は楽になるけれど、ちくわの場合、早ければ数時間でまたすぐ溜まり、よりいっそう栄養が吸収出来なくなるので、痩せて体力もなくなり、ちくわにとっては辛い時間が長くなるだけ。抜いた翌日亡くなった子も知ってるので、抜きたくない。ちくわには出来るだけ苦しい思いをさせたくない。と先生には言われてた。
抜く決断をするのは、呼吸が苦しくなるくらい溜まるか、ご飯を食べても吐いてしまうようになってから。
だけど結局最期まで、吐くことはなかった。

最後になった日、おやつも食べれないし、腹水がすごく増えてるので、いよいよ抜かないとまずいんじゃないかと病院に電話をし、ちくわを連れて行った。
予定では翌日留置針を取り換えに行く日程だった。

家にいた時はすごくだるそうで、ものすごく動きづらそうになってたけど、重いお腹に振られながら「病院行くよ」と言ったら歩くことが出来てた。
受付して、車でしばらく待って、診察して、腹水の状態をエコーで見てもらったら、やはりかなり溜まってた。
それでもやっぱり先生はどうしようか考えてる感じ。
胸水はなかったし、見た目的にはもっとひどく膨れるそうだ。
そして歯茎を確認してみたら、歯茎も舌も真白くなってた。
さっきまでは普通に赤かったはず・・・。もうびっくりでした。
そして先生からは「この状態では腹水抜けない。抜いたらショックを起こしてその場で死ぬ可能性あり、そして、ここまできたらあと1週間持つかどうか・・・間違いなく1週間持たないです。もしかしたら今夜も危ない可能性もあります。」と。
そして泣きながら帰宅しました。

それでもまだ1週間の時間はあると思い込んでたおかん。
おとーも家に帰ってたので、ちくわを見てもらい、札幌の業者さんに先生に教えてもらった酸素ハウスを手配。でも届くのは明後日の朝。間に合うと信じてお願いした。
取りあえず病院から持ってきた酸素缶をあててみたけど、効果あるのかないのか・・・。
じいちゃんとばあちゃんにも一応会いに来てもらった。
じいちゃん達がくる数分前から、急にきゅ~んてちくわらしくない声を出しはじめる。
それが数分おきに。目も上を向いてしまってた。レメディとブドウ糖を口に入れるとすこし戻ったけど、やっぱりきゅ~んて鳴く。
もしかしてこれこそ、肝性脳症の発作かと病院に電話して、確認してから初めて座薬を入れた。
数分で落ち着くが、なんだか呼吸がしずらいのか、大きく胸が上下してた。
じいちゃん達が帰ってからも1時間くらい、発作は治まったが、寝そうで寝ないので、おかんは冷たい手を握り、目の前で顔を見ながら「ちくわ、大丈夫?疲れるからねんねしなさい」って頭をなで続けた。
この時でもまだ、落ち着いたから眠るだろう。今夜からは寝ないで付き添いだな・・と思ってた。
そして、おとーがお腹が圧迫されて苦しいんじゃないかと、座布団とお腹の間にすっと隙間をつくるのに手をいれた瞬間、ふーって言って大きく息を吸った。
そしてそれが最後の一息になってしまったのでした。
おとーが「え?息止まったんでない?」「え?うそでしょ?まじで?」と慌てて心臓マッサージ的な事をするも、戻るわけもなく・・。
病院から帰ってから、2時間くらいの事でした。
ほんとにこんなにもあっけないものかと、驚きました。
動けなくなって、何も食べれなくなって、トイレも自力で出来なくなって、つきっきりの介助を仕事も休んでするつもりで、最後はおかんの腕の中で、もう頑張らなくていいよ・・とかありがとう・・とか大好きだからね・・とか言う状況を想像し、覚悟してたので、思いっきりちくわには驚かされました。
さっき帰ったばかりのじいちゃんばあちゃんも、すぐまた線香をもって来てくれた。

病院に行かなきゃ良かった、しんどかったのに、連れてったからだ・・・と泣いて後悔してたら、おとーとばあちゃんに行かなきゃ行かないで、行けば良かったって思うでしょ。と言われた。そのとおりです・・はい。
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その日のお昼ヨーグルトを喜んで食べてたちくわ。
晴れてるのでベランダの窓開けたら、よいしょよいしょと歩いて、しばらく真白い外を眺めてたちくわ。
窓締めるよと言ったら、雪の反射で眩しそうに目を細めながらおかんを見上げたちくわ。
最期の日まで、いってらっさいとしっかり見送って、おかえりと迎えてくれたちくわ。
寝たきりの姿を見せたくなかった?もしかして、自分が今夜死ぬとは思ってなかったんじゃない?
ごめんね、最後の最後までバタバタしちゃったね。

MAX7㎏だった体重は、手作りご飯になってから、5.4㎏くらいでキープしてたはずだけど、おやつしか食べなくなって多分少しづつ落ちてたんだろうけど、それと入れ替わりに腹水が貯まり出したので、良いのか悪いのか、ガリガリのちくわを見ずにすみました。
最期の体重は腹水で増えて7㎏にかなり近くなってた。
お水だけど、健康な時の体重に偶然戻って旅立ったようです。
多分辛かったんだろうけど、おかんにあまりしんどい姿を見せませんでした。ほんとに強い子でした。

おとーは「ごっついちくわを見なれてるうちらだから、腹水抜いたり、痩せてがりがりになるちくわを見つづけるのは多分一番辛かったろうから、まだ良かったのかもね」と言ってた。

どっちがいいんだかね。あまりにもあっさりしすぎて、受け入れるのにおかんはかなり時間はかかったよ。
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5月29日が百か日でした。
最期の日の事、思い出すと泣けてしまうので、スルーしてきたけど、さすがに時間たち過ぎ。
書きながら、やっぱりボロボロですが・・・。
100日経っても、何もかわらないなぁ。
こういう事は勢いで書かないと駄目だね。こんなに引っ張ってるのはおかんだけだろね。
今更いいかな?とも思ったけど、ちゃんと最後まで頑張ったってちくわの為に書かなきゃと思いました。
未だに心配して下さってる皆さんにもまた悲しい思いさせてしまいます。ほんとにごめんなさい。
悲しい話はこれで終わりにするから・・・。
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うちの放置クレマチス。
ちくわの事でいっぱいで何年も全然気にしてなかったのに、今年は早くから暑いせいか、みごとに咲き誇ってます。
放置しても生命力のある子はちゃんと育つのだね。

=おかん=
Commented by himiko at 2015-06-06 20:06 x
ちくわちゃん・・・・・・。
(>_<。)
私も3月4月の事は思い出さないようにしています。
元気だったころの事は笑って思い出せるのに、辛かったのかもしれないと思う時期の事は苦しくてダメです。
ムリに思い出す必要はないのですよね
忘れた事にはならないですよね
とにかく泣いちゃうと心配させちゃうと思うので
楽しかった幸せだったことだけ毎日思い出しています。

おかんさん・・・雰囲気が相武紗季さんに似ていませんか?
Commented by renkon at 2015-06-06 21:08 x
おかんさん、こんばんは。

以前”あっけなかった”っておっしゃっていたけど、
本当に”えっ?今??”って予想外のタイミングでダッシュしちゃったんですねちくわ君。
ブログで拝見していたちくわ君の姿には
闘病中の悲壮な感じは微塵も感じられなかったので、
おかんさんと同じ様に信じられない気持ちがずーっと続いています。
検査結果の数値やおかんさんの記事で十分理解していたはずなんだけど…勝手なものですね。

生物の数だけいろんな最期があるのだから
”どれがいい”なんて選べないし言えないけれど、
やっぱりちくわ君はちくわ君のベストのタイミングを選んだのかも知れませんね。
できる限りの医療を受けて、
おじいちゃんおばあちゃんにも見舞ってもらって、
おとんさんおかんさんに看取ってもらえる最善の日時を選んだんですよ。
やっぱり賢いよちくわ君!!

思い出すのも辛い日のこと、教えて下さってありがとうございました。
ちくわ君のためにっていうお気持ちが強いなら
これもまた必要なステップなのかもしれませんが、
どうぞご無理のない様に。
その瞬間を思い出すこと、記すこと、声にして発すること。
どれもとてもとても辛いことです。

整骨院通われ始めたそうですね。よかった。お大事にしてくださいね。
それからお心もどうぞご自愛下さい。
Commented by まるびー at 2015-06-06 21:12 x
おかんさん、
素敵な素敵な写真ありがとう 
こんな綺麗な写真 胸がいっぱいです 

最後の日を思い出しながら…
忘れてないから思い出しながらではないかな、
書くのはどんなにつらかったでしょう 
私もまたまた涙で文章が滲みます 
でもおかんさんが書いてくれたことを
しっかり読んで受け止めようと思いました 

おとんさん、おかんさん、ちくわちゃん 
よい家族ですね 
いつまでもちくわちゃんのことをたくさん書いて
教えてくださいな 
もちろん、つらかったら無理しないでね 
好きなだけ引っ張って引っ張って 
みんなそれぞれだもの 
ひとと比べなくていいと思います 
おかんさんらしくしないと
ちくわちゃんが笑いますよ~
またまとまらないコメントになっちゃいました 

Commented at 2015-06-06 22:53 x
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Commented at 2015-06-07 00:42 x
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Commented by k-goripon at 2015-06-07 04:54
おかんさん、こんにちは。

ちくわちゃんの最後の様子、お教えいただきましてありがとうございました。
読んでてうるっときてしまった・・・。
未だに悲しくなるのはそれだけちくわちゃんを大事に思っていたから
ダメだなんて思わないでください。
大事な大事な箱入り息子だったんですから(笑)

体調がおもわしくないのに普段と同じように過ごしたんですね
ちくわちゃん自身、仰る通り死ぬなんて1mmも思ってなかったのでしょうね。
きっと、どんな事をしてあげても後悔の念に駆られたんでしょう。
おとーさんの言う事、もっともです。
おかんさんは一生懸命を出し切ったんですよ。
痩せ衰えて痛ましい姿で旅立たなかったのは
ちくわちゃんの優しさでしょうか?

私的には悲しいお話ではなかったですよ。
心温まるおかんさんの愛情を感じる、良いお話でした。
良いお話?ちょっと語弊がありますね、ごめんなさい。

おかんさん、気温の変化など気をつけて
体調なぞ崩されませんよう、お体ご自愛ください。

Commented at 2015-06-07 06:20
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Commented at 2015-06-07 06:50 x
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Commented at 2015-06-07 12:31 x
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Commented by みぐしも at 2015-06-08 18:08 x
cue-nacsさん

初めてコメントさせていただきます。
こたろうくんのあるじさま「あるろぐ」でちくわちゃんのことを知り訪問させていただきました。
まず先に、、、
ちくわくんお疲れ様でした。ゆっくりお休みください。

ちょうど一週間前、我が家のミニチュアダックスが亡くなりました。あと2ヵ月で10歳でした。元々心臓が弱い上に免疫が低く獣医さんには長生きしないと言われていた子でした。
先々週くらいに具合が悪くなり、病院に連れて行くと「弱っていると命の危険もあるかもしれない。栄養補助ミルクを飲ませて一週間様子を見ましょう」と言われて帰宅した土曜。容態が急変した日曜の夜。日付が変わって6/1の明け方に亡くなりました。
最期の瞬間が、ちくわくんと重なることがあり。。。
私たちは最期の時、呼吸が荒くなって床にくてって倒れて、柔らかいベッドに寝かせてあげないと!と主人がワンコベッドに寝かせて、深く2度深呼吸したと思った次の時にはもうお腹が膨らむことはありませんでした。

私もcue-nacsさん同様に「これから介護が始まる。会社もやみがちになるかな。寝るのもこの子の隣にしないとなぁ」って考えていた矢先でした。
あっという間に旅立ってしまいました。
同じでした。うちの子も容態が急変した日のお昼の私が食べたヨーグルトの器をペロペロ舐めていました。

重なる部分がただあり、涙が止まりません。
受け入れるにはまだまだかかりそうです。
けど、cue-nacsさん、あるじさんのブログを読ませていただき、涙は出ますが締め付けるよう苦しさか抜け出せそうな気がします。
ありがとうございます。
うちの子が無事虹の橋を渡って、こたろうくん、ちくわくんとお友達になれたらいいなぁって思います。

最後に。
思うがまま書いてしまったため、長文・駄文となりまして申し訳ございません。
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 21:41
himikoさんこんばんは~
こーちゃんの辛い事も思い出させちゃったかな?ごめんなさい。
書きそびれてしまったちくわの最後の日。
何度も書くのやめようかな、やっぱ書かなきゃなとか思い出すのが辛くて迷い続けて、早4ヶ月・・・。
けじめの為にも頑張りました。これからは楽しかったことだけ考えなきゃね。楽しかったこと考えても泣けちゃうんだけどね。
相武紗季さんには似ても似つかないですよ~(笑)
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 21:57
renkonさんこんばんは~
言った通りのあっけなさでしょ?
びっくりしちゃいますよね。
私も病院行くたび、言葉では言われてないけど、そろそろ・・・って先生の感じだったからわかったつもりだったんですけどね~。
これからは笑えるかな?
いつまでたっても体の痛みが取れないので、とうとうギブアップ。整骨院通い始めました。腱鞘炎はかなり良くなりましたが、足はなかなか・・。古傷は治らないのかなぁ?
もしかして、自律神経からの・・・?かもと思い始めてます。
自分で思ってるより、体がボロボロなのかもですね?
いつも心配して頂いてありがとうございます♪
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 22:05
まるびーさんこんばんは~
もう4ヶ月も経っちゃって、どうして勢いで書かなかったんでしょうね~。現実逃避してましたね。
1ヶ月は放置状態だったし・・。おかん根性なしでした~。
もうそろそろ、写真もネタもなくなってきたので、けじめつけなきゃな~って思いまして・・・。
今更ながらまるびーさんにも悲しい思いさせちゃってごめんね。いつもほんとにどうもありがとうございます。
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 22:11
鍵コメA様こんばんは~
ちくわみたいに・・・って思ってもらえたなら良かったです。
今頑張ってるA様だから、また悲しい話をぶり返すと怖くなってしまうんじゃないかと心配だったので・・・。
飼い主にあった逝き方ってほんとにするのかもしれないですね。
おかんは看病できないのら!って見透かされてたのかも。
A様こそ大変な時、お体くれぐれも気をつけて下さいね!
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 22:19
ごりぽんさんこんばんは~
ちくわらしい驚かせかたでしょ?
1週間前にはおかんの手に噛みつくくらいだったのにね~。
でも、悲しい話に思われなくて良かったです。
嬉しいです。
やっと書けなかった事が書けました。気持ち的にはまだ無理やりなんだけど。
このままだと終わりがなくなりそうなのでおかん頑張りました。
今までいろいろ焦ってたんだけど、あまりにも体が痛いので、ギブアップしてまずは整骨院で体を治そうとしてますよ!
Commented by cue-nacs at 2015-06-08 22:42
みぐしもさん、あるろぐつながりで見守って下さってありがとうございました。
そして、お辛い中お話して下さって感謝します。
お悔やみ申し上げます。
まだ1週間なんですね。10歳まで2ヶ月だったという事は、ちくわも10月で10歳だったので、同い年です。しかもお話のとおり、ちくわと同じ旅立ちかたしたなんて・・・。驚きますよね。ほんと。
みぐしもさんも長い間ずっと心配されてたんでしょうね。
長い闘病生活の末のこのあっけなさはいったい・・。
私は受け入れるのに、自分が思っていた以上に時間がかかってしまってます。でも本人が苦しい時間が少なかった事だけが唯一の救いなので、その分おかんが辛くても仕方ないかな・・・って思うようにしようと思ってます。
同じ気持ちを共有できている方がいると、私も少し気持ちが和らぐ気がします。みぐしもさんもそう思ってもらえたらいいです。こたろうくんとちくわがいるから大丈夫。同い年だから仲良くできそうですね。旅立ち方も一緒なんて。似た者同士だったり?
ほんとに大変ななか、コメントありがとうございました。どうかご無理されませんよう。今はゆっくりゆっくり体を休めて下さい。そして気が向いたらまた遊びに来てください。

Commented at 2015-06-09 14:44
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Commented at 2015-06-10 20:46 x
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Commented at 2015-06-13 22:17
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by cue-nacs | 2015-06-06 15:56 | ★ちくわの時間 | Trackback | Comments(19)